ドラマチック・ロマンス
「花音って可愛いよな・・・」





いきなり斗真がこんな事を言い出した。



俺は、“こいつでもこんな感情になるんだ”と一瞬驚いてしまう。



けど、もう13歳。好きな子がいたって可笑しくないよな。




「好きになっちまったか?」





俺は、冗談交じりでそう言って斗真を見ると、斗真は真っ赤な顔をして俯いて手話の本を見ていた。




・・・斗真のやつ、初めての恋かな・・・?






「がんばんないとな!」





「別にそんなんじゃねぇって!!」




背中をバシッと叩いたら、斗真は痛そうにしていても、俺を見ようとしていなかった。




照れてる?




そういや、将太。花菜の弟も一生懸命手話を覚えてるって花菜が言ってた。



将太は、本当に花菜に似てやさしい奴だ。



花菜と将太は、やさしい感情が一番あるような気がする。



そんな将太もまさか、花音って子を・・・・・ってことはいよな?



そしたら、二人は大丈夫なのかな?


恋のライバルになってしまったりしないだろうか?




・・・・俺の気にしすぎだと思うけど。




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