ドラマチック・ロマンス
もう一度、思い出の住人である小人が顔を出した。

『な〜に、俺にようか?』小人は、私と伊吹を知っている様子。


小学校の頃の伊吹はとゆうと、ものすごくヤンチャだった。入学式では顔はまだ知らずに、伊吹の存在を知ったのは、同じクラスになった一年生のときだ。


伊吹は、走るのが好きな男の子だった。
かけっこが早くて、いつも笑っていたた少年だった。


その頃の私はとゆうと、この頃からうじうじしていて、その日の移動教室も、お手洗いに行っていた私は、ひとり出遅れていた。

理科室の前まで来たものの、中々入れずじまい。

入れば良いものを‥‥‥



「おい、おまえ、入んないの?」



びくっと振りむくと、今だにしゃべったことのない男の子‥‥‥‥伊吹だった。


「俺も中に入るし、一緒に入ろうぜ!」

伊吹は私の手を引いて中に入れてくれた。伊吹は私を導いてくれているようで、うじうじしている自分がなさけなくなったっけな‥‥。

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