ドラマチック・ロマンス
杏の言い方にカチンとくる。



「・・・・嫌いな訳がない。けど、それは人間的に好きって事だよ。杏とは良い思い出しかない。俺の青春時代の暖かい思い出。もう戻れないけど、杏とはいっぱい思い出あるよ。」




けど、一度好きになろうとした人だから、わかってほしい。




杏は、下を向いたまま動かない。




高校時代もこんなことがあったよな。



部活でゴタゴタがあって、みんなで話し合った。そんな時も杏は下を向いて皆の話を聞いていた。



そして、ゆっくり前を向いて、みんなの瞳を見渡したんだ。





杏は、前を向けるよ・・・杏。





「迷惑かけてごめん。」




杏は、ゆっくりと俺の方へ瞳を向けた。



やっぱり、変わってない。



強く進んで行く力を持ってる。




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