ドラマチック・ロマンス
息吹は、私を見つけるといつも笑って話しかけてくれるようになった。


色恋いが興味がなかった低学年の頃とは違って、クラスメイトの女の子たちも、高学年になるに連れて、

だんだんと『あの子かっこ良い』とか言い出す女の子も出てきた。



伊吹も、低学年の頃は背があまり高くなかったのに対して、成長するにつれて、ドンドン背が高くなっていた。



「委員会何入るんだ?俺、体育委員になるから、花菜、保健委員やってよ!俺、すぐコケるからさ!」




ドンドン背が高くなって、かっこ良くなって行く伊吹が、ドンドン好きになって行く。



クラスの中でも、明るい伊吹は、皆の中心だった。


クラスのみんなも、なんだかんだ伊吹に着いて行く。




そして、六年生になると、クラスも離れて、只でさえ喋れていなかったのに、ドンドン距離が離れて行くように思っていく毎日。


そんなこんなで、私たちは中学生に進級して、同じ学校だけど、一年の頃は、クラスが離れ離れになってしまう。



目を閉じれば、ついこの間のように思い出す。



「告白しないの?小学校の頃から、思っていたんだけど・・」



「し、しないよ〜!」


美咲は、私の伊吹への気持ちを知っているから、こうゆうやりとりは何回もあった。

照れて、恥ずかしくてこんなことしか言えない・・・






ずいぶん、接点がなかった私と伊吹に接点が訪れたのは、中学最初の体育祭だった。



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