ドラマチック・ロマンス
「私ね、将太くんが好きなんだ。」




「へ?」





まさか自らの姉弟の名前が鈴から出るなんて、予想もしてなかったから、私はポカーンとしてしまった。





「でもね、将太くんは花音が好き。」




「へ?」




ななななな、何だって~!?




「斗真くんも花音が好きなんだ。」




鈴は、最後の一言を言い終えると、またもや涙が溜り綺麗な瞳から溢れだしてしまいそうだ。



でも、がんばってねってスプーンを動かそうとする鈴は、とても健気だと思った。




そっか・・・・




だから、鈴は“花音には叶わない”って言ったんだ。




「今日だって、がんばってね将太くんと話そうって思って
、話しても、将太くんは私と話してるのに、花音に視線を向けてばっかり!」



ついには、泣き出してしまった鈴。




自分の好きな人は、自分の友達のことが気になっていて、その友達は、大切な大切な友達で・・・




鈴の胸は、花音ちゃんを想い、将太をも想い・・・今、きっとすごく苦しいんだ。




「でね、花音と斗真くんは良い感じなんだよ。」



「・・・そっか。」


涙を拭いた鈴は、またパフェに手を伸ばし、4人の恋愛事情を私は、なんだか複雑になりながら聞いていた。


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