ドラマチック・ロマンス
「・・・傷、洗った方が良いよな?」



「う、うん!」



保健室の先生は、他の生徒に付きっきりらしく、今ここにはいないみたいだ。


二人きりだと思うと、緊張が加速しちゃう!!




「花菜、髪、伸びたな。」



足を水道で洗っている伊吹に急に話しかけられ、私も、伊吹の後姿をマジマジ見てしまった。


イヤ、見とれていた。



伊吹は、短髪にしてあってどこから見ても爽やだ。



サッカー部に入って活躍していると噂で聞いてるけど、キミのことだもん、そりゃめちゃくちゃ活躍しているだろうな・・・


ちなみに私は、美咲と吹奏楽部に入っている。


足を洗い終わった伊吹が、くるっと振り向き、私と目が合う。


チクタクチクタク・・・・



時計の音がやけに大きく響く・・・





「可愛いーな。」



ちらっと私を見ていた伊吹が、またくるっと前を向いてしまった。


ドドドッと脈が響くのを初めて知る。





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