ドラマチック・ロマンス
伊吹、来てくれたんだ・・・



「よくこの場所がわかったね。」



もうすでに辺りは暗くなっていて、何時なのかわからない。



「めっちゃ探したんだかんな。ったくふざけんなよな。」




「ごめん・・・」



伊吹に抱きしめられるとやっぱり安心してくるよ。




「いいや、謝るのは俺のほうだよな。花菜を不安にしちまった。本当にごめんな? 寂しかったか?」




伊吹の声があたたかくて溜まっていたものが一度に溢れだす。



「寂しかったよ・・・神崎先生は可愛いから、まして伊吹の元カノだよ?不安にならないほうが可笑しいよ。」




「だよな・・・って花菜が行って良いって言ったんじゃん!」



「そうだけど!」



だけど、やっぱり寂しかった。



「伊吹を試すようなことしちゃったね、ごめん。」



私がそう言ったら、伊吹がいきなり私を伊吹の方に向かせる。



伊吹の視線が私と重なる。


・・・伊吹の顔がほんのり赤くて直視出来ないよ。



「バカ、そらすなよ。」



「バカってなによ。」



伊吹が“ごめん”と苦しそうに私をぎゅ〜と抱きしめるから、私も抱きしめた。


前より、もっと好きになっていくのがわかる。
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