ドラマチック・ロマンス

「しかも、“陸”って名前が付け加えられてたんだ。」



・・・・マジか。伊吹も私もそれを聞くと、何も言えなくなってしまった。



でも、このままじゃいけないし・・・何か出来ないかなと伊吹に視線をやると、伊吹も考えているようだった。




「伊月、仲直りしたくないの？」




「したいに決まってるよ。」





「・・・・・じゃあ、何度も何度だって謝りに行きなよ！きっと、私の予想だけど、明香音さんは、寂しかったと思うよ。６年間も家を空けたことを明香音さんはすごく悲しいんじゃない・・・きっと、連絡も寄越さずに平気な伊月に怒ってるんだよ・・・」




明香音さんの心の中は、私にだってわかんない。けど、もし、伊吹にそうされたら、私も哀しくて寂しくて、怒っちゃうよ。


　　
「明香音ならわかってくれてるかと・・・」




「女は、わかっていても、ちゃんと話してもらいたいんだと思うよ。私だって、伊吹にそうされたら怒ると思うし。」




伊吹をちらっと見ると“俺はそんなことしねぇよ”と私を見た。