ドラマチック・ロマンス
「・・・・・・花菜って高校のころ付き合っていた人いた?」



「なんか前にも聞かれたよね、それ。」



“花菜のことはなんでも知りたいの”と伊吹は言う。私は、女子校で、伊吹は寮がある高校だった。高校のころからサッカーを頑張っていたんだね、伊吹。




「私たち、高校のころも会えれば会えた?」



「かもな。」




高校のころの伊吹が見てみたい。一瞬でも良いから、この目に焼け付けたいと思った。


そのかっこ良い姿の伊吹を・・・杏さんは知っているんだよね。“ズキン”とちょっと胸がいたい。




「これから、ずっと一緒だから。」



「うん。」




そうだ、これからは伊吹とずっと一緒にいられるんだ。




ずっとずっと伊吹と一緒にいたい。




・・・このときは、まだ伊吹も私も、幸せな気持ちが不安定になるなんて知らない。


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