ドラマチック・ロマンス
10*)思いがけない告白
次の日、一時間目から授業があった。



朝、早くに将太はサッカー部の朝練でとっくに学校へ行ってしまっていた。


私も、吹奏楽部の朝練があるからと支度を急ぐ。









「おはよう、先生!」



「おはよう!!」



学校に着くと、生徒たちが、そこらかしこから声をかけてくる。
元気な子もいれば、朝だから眠そうな子、それは見慣れた朝の風景。



職員室にかばんを置き、職員室にいた先生方に挨拶をすると、私は音楽室に顔を出すべく向かう。



音楽室からは、楽器の音色が聴こえてきて、階段を上っていく途中でもそれは良く響いている。



みんな、眠たいのを我慢して、無我夢中でやっているんだろう。コンクールなど、大会の期間はみんなで朝練が当たり前だけど、そうじゃない日は個人練習。


みんな、“やれ”と言われていないのに頑張っているよね・・・私も、吹奏楽部だった頃は、毎日が無我夢中だった。部員のみんなと、真剣に練習し、でも毎日笑顔でいれた。そのお陰で高校でも私は吹奏楽を続けた。



私の頃と同じで、練習が嫌いな子。練習が好きな子。一生懸命な子。楽器がうまい子。不器用な子。音楽が好きな子・・・みんな千差万別で、誰、一人と同じ人なんていない。


みんなにとって、私はどんな先生なのだろう?

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