ドラマチック・ロマンス
その日の掃除の時間。独りで裏庭の掃除をしている菅谷さんが目に止まる。



「独りで掃除してるの?」




「!」




私がなんの前触れもなく、菅谷さんの前に行ったから菅谷さんは慌てたのか、ほうきを動かしていた手が止まった。



しばらくして菅谷さんは、小さな声で言葉を返してくれた。



「もう一人の子は、表の方、掃除してるから・・・」



「そう。」



菅谷さんは、私の顔を見ずにムスっとしている。私となんて話したくない?


手紙を書いた本人なんだよね・・・伊吹が、好きって書いてあった。




「・・・・先生は、伊吹くんと付き合っているの?」




「あ、えっと・・・・」



私は、言って良いのか悪いのか、よく分からずに曖昧に言葉を誤魔化してしまう。


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