ドラマチック・ロマンス
海岸沿いの駐車場に車をエンジンを止めて停車した。




外に出てみると、塩の香りが清々しい風と共に、鼻を掠める。
きっと、都会にいたら塩の匂いもしないことだろう・・・
雨は、それほど降っていない。




駐車場から、海が見えるところまでは少しあって、俺は車のトランクからビニール傘を2本ほど取り出し、海が見えるところまで行ってみることにした。




遠くの方から、生徒たちの笑い声や、話声が聞こえる。全校生徒がいるんだから、それは、大勢な騒がしい声だ。




少し歩いたら、海のテトラポットが見えた。徐々に、ビニール袋を片手に持ち、軍手をして海の波打ち際や、海の砂の上にちらばめられている、たくさんのごみを生徒たちが思い思いに拾っているのが確認出来る。



結構、ごみがあるもんだ・・・・生徒たちが持っている、ごみ袋にはごみがかなり入っていた。





・・・・・・・・あ、花菜がいる。




花菜を見つけた俺は、なんだか花菜が遠く感じた・・・




たくさんの生徒と一緒に、何かを話しながらごみを拾う花菜、いつもの、俺に癒やしをくれるだけの花菜じゃないんだよな・・・・と、あたりまえの事なのに、なぜか淋しさがおそう。


変なの・・・俺。
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