ドラマチック・ロマンス
「まだ、帰りたくないのか?」


伊吹がなんやら心配そうに聞いてくる。


「家で何かあったのか?」



伊吹は、心底心配そうに私を覗いて来る。



「ち、違うよ!えっと、えっとね・・・」



『なら良いんだけど』としどろもどろになる私を笑って見ている。



「なら、もう一回天体観測しないか?」


なんで、分かってしまう?


ほしい言葉が分かるのだろうか。




「し、します!させて下さい!」



慌てる私に伊吹は、「何で、敬語?」と笑った。


嬉しい!嬉しい!嬉しい!





ダラダラと歩いていた私たちは、自身が卒業した中学に、いつの間にか近づいていた。


「中、入って見る?」



一瞬、ドキドキしたが、私たちは中へ入って行った。


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