ドラマチック・ロマンス
「花菜先生!」




振り向くと、星野先生が慌てて走ってくるところだった。
生徒たちから、離れた私を星野先生は追いかけて来た。





「・・・星野先生!・・変な噂がたったらどうするんですか?」



中学生は、噂に敏感なんですよ・・・!




雨がさっきよりもひどくなって来る。もう服とかびしょ濡れだ。




「・・・・ごめん。いても立ってもいられなくて。」




「・・・・なんでですか・・?」



星野先生を見ずにそう言われるのを、ただ聞いていた。




「好きに、なったから。」




・・・・・・どうして、こんなちんちくりんな私なんですか?




「星野先生・・・・生徒の前であんなことしないで下さい。噂になりたくないんです。」



「コーチがいるから?」


私は、コクンと頷いた。当たり前なんです・・・私には、伊吹しか、いないんです。


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