ドラマチック・ロマンス
それから海岸清掃は中止となった。
海の駐車場に、使いかけのビニール傘が転がっているのが、気になって、側まで寄ってみると・・・『フラワーショップ・花メロディ』と書かれていた。



・・・伊吹・・・もしかして、見に来たの?



私は、ドクドクと胸がとてつもなく波打った。キス・・・見られてないよね?


・・・キスをされた場所は、ゴミを出す場所だったから、人もいなかった。





・・・私、伊吹じゃない人と、キスしたんだ・・・




伊吹の顔をどうやって見たら良いのか分からない・・・





その帰りに、私は伊吹のお店へ寄った。いても立ってもいられなかった・・・



ビニール傘を持ち、お店に足を踏み入れると、中からは、伊吹とお客さんが話しているのが、目に入る。





・・・・菅谷さん?




伊吹と話しているのは、菅谷さんだ。私に、ラブレターを渡して来た、菅谷さんだ。


菅谷さんも、伊吹が好きなんだよね。


ふたりを見ていると、菅谷さんの方が気が立っているように思えた。



私に、最初に気がついたのは伊吹だ。その後、菅谷さんも私を見て、私を睨んだ後・・・


菅谷さんは、伊吹にキスをした。




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