ドラマチック・ロマンス
廊下を歩いていると、大きな月が二人を光で照らしているようだった。



屋上へもう一回行こうとなった私
たちは、並びながら歩いている。




生まれて初めて、私はココでキミに恋をしたんだよ・・・・




今日で、私の初恋を終わりにしよう。そうしなきゃ、私は前に進めないじゃないか・・・



屋上へ続く階段を上ろうと足をかけた瞬間、なにかの光がピカーンと、私と伊吹の瞳を眩しくした。


誰かが、歩いて近づいてくる気配・・・

お互いに、光が眩しくて立ち止まってしまうと、すぐ近くに足元が写った。




「えっ、岸本せんせい?」



ビクついて顔を見てみると、年老いたシワが目立つ、良く顔を知る人物がそこにはいた。



伊吹も、「えっ?」とびっくりしている。




岸本先生は、私と伊吹の中学時代の担任の先生だ。



岸本先生は、私たちの顔を見ると、「おや、君たち久しぶりだね〜!」と私たちを交互に見て、優しそうに目尻を下げた。


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