ドラマチック・ロマンス
「・・・・・39点?」




「バカっ、見るなよ勝手に!」




鈴は、俺の数学の解答用紙をヒラヒラとつかんだ。“落ちてるのが悪いんじゃん”と、机の上に置いてくれた。




「あんた、やばいよ。勉強しなきゃ。」



俺は不貞腐れ気味に“わかってるよ”と言うと、となりの席に座る。




「夏休みなのに、補習なんてね。」



「鈴もだろうが・・・!」



夏休みなのに、数学の補習で学校に来ていた。鈴もどうやら数学は苦手みたい。



俺たちは、となり同士の席だ。中1から中3まで、奇跡的に同じクラスだ。鈴は俺のことを「あんた」とゆうし、俺も鈴には気を使わない。


合唱コンクールでは、お互いに鈴がピアノ。俺は指揮者をやったりした。
1年のときも、2年のときも二人でやったから、最後の合唱コンクールも俺ら二人でやるだろう。



前に、鈴のトランペットを聞いたことがある。



あれは、見事だったし、鈴がすごいと素直に思った。





「鈴は、夏祭り・・・誰かと行くのか?」



「誰って?」



「・・・あー・・・・彼氏とか?」



何を、緊張してんだろ俺・・・


< 231 / 252 >

この作品をシェア

pagetop