ドラマチック・ロマンス
「んなもん、いないよぉ~」




「ふーん・・・」



鈴は、そう言って自分の席に座り、教科書を開いた。



鈴は、俺よりは頭も良いし、覚えも良い。数学も、覚えてしまえばすぐ出来るだろうな。




「あ〜あ、一昨年も、去年も、みんなと行ったのになぁ。なんか、今年は淋しいよね。」





鈴は、ため息なんて付いて、頬に手を置いた。



1年の時も、2年の時も、花音と斗真と、鈴と俺で、夏祭りに行ったんだけど、花音も斗真も、二人っきりのが良かった様子だった。




「はぁ〜あ、今年は将太と二人か。」




「え?」




まさか、二人っきり?




「・・・・・あれ?行かないの?二人で?」


鈴は、きょとんとして俺を見た。

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