ドラマチック・ロマンス
「生きて、誰かと共に歩んで行ってほしいって願いがあったから、事情は、誰にも分かんねぇけど、亜子は亜子なんだから、今のおばさんとおじさんが育ててくれた、亜子なんだから、胸を張って生きてほしい。」




圭太は、私の顔を見て下手くそな笑顔を作る。



圭太が、私の分まで泣いちゃいそうな、顔。
そんな顔で、圭太は笑った。



過去は、変わらない。変わりたくても、変われない。





「私、自分を好きになってもいい？」




私とゆう人間が、とてつもなく嫌いで仕方がなかった。




「もちろん、亜子はみんなに愛されてんだから。だからもう、おじさんとおばさんと口を聞いてやれよ。二人とも、すげぇ、哀しそうな顔、してた。」




私の意地っぱりで、お母さんに返事をしなかった。お父さんとも会話をしなかった。




誰かを困らせたくて、困ってほしくで、偶々、花菜先生に手紙を書いた。


伊吹くんと、町で二人で楽しそうに話している姿が眩しくて、羨ましくて、花菜先生に傷ついて欲しいと、私の悪知恵が働いた。




「ラブレター、どうしよう。」


圭太が、その私の言葉を聞いた途端に焦りだした。


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