ドラマチック・ロマンス
「でも、よく知っていたね、私の夢。 いつ知ったの?」
「ヒミツってコトで!!」
「えっー?」
伊吹はこどもの様にはしゃいで走って行ってしまって、私はそんな伊吹を見つめていた。
私は、思い出していた。
この学校で過ごした幾つもの時・・・
楽しい時間、辛かった時間、終わってほしくない時間、たくさんたくさん、幾つもの時間があったことを・・・
そのどれにもキミはいたよね?
いつだって、伊吹の頑張ってる姿が私を強くしてくれた。
笑顔が私に、トキメキをくれた。
全部、全部、大事、大事。
「伊吹に言っておきたいコトがある。」
「ん?」
離れている距離から、私に向かって振り向く伊吹。
伊吹は、私の問いかけに首を傾げて不思議な様子。
月のあたたかい明かりが私を応援してくれているみたいにキラキラして見ていられない。
あの頃の、伊吹をただ見つめる私のように・・・
「私・・・・・小学校の頃も、中学生の頃も、伊吹が大好きでした。」
あの頃のままでいられない・・・・私達は、前に進んでいるのだから。
もううじうじしている自分とは卒業しよう。