ドラマチック・ロマンス
意味がわかんないよ、圭太。



「ラブレター、ちゃんと返してもらえよ。」




圭太は、私を見ると眉を下げて困りげに笑う。




その圭太の笑った顔が、子供の頃と変わらなくて安心した。



私の悩みは、考えてみればちっぽけかも知れない。


考えを変えてみれば、私を愛してくれる人たちがたくさんいることに気付く。



私は、いつでも一人ではないと思い知らされる。




「亜子〜!進路調査用紙、どうすんのよ。」




いきなり、お母さんが何食わぬ顔で、平然と部屋のドアを開けて入ってくるから、びっくりして声も出ない。



「また、圭太くん来てるし。あんた達、本当に仲良しねぇ。」




お母さんは、部屋にいた圭太に気づくと声をかけて、圭太も返事を返した。



「で、進路どうすんのか決めた?あんたね、もう中三の三学期よ?」



圭太は、まだ決めてないのかよ?と私の肩に手を置く。



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