ドラマチック・ロマンス
「嬉しいよ、亜子。でもね、やっぱり、高校には行って欲しいよ、お父さんとお母さんは。それからでも、一緒に働ける日は、きっと来るから。」




お母さんは、私の頭を優しく撫でてくれた。
優しい言葉で、言ってくれた。



「・・でも、今から勉強が、追いつくかな?」



今からじゃ、間に合わないんじゃ・・・




「俺が、教えるから大丈夫!!俺の、学校のレベルだったら、亜子なら絶対、大丈夫だと思うから。」



”死ぬきでやれよ“と頭を乱暴に揺さぶられて、圭太の体温があたたかった。



「圭太くんがいれば、大丈夫か!この調子で、未来も亜子を頼むわね!!」



ニコっとめいいっぱい笑っていたお母さんは“頑張るのよ”と一言言って、階段を下って行った。




「未来もって何?」



圭太に聞くと、圭太は、頬を紅色にしている。



「圭太、熱でもあるんじゃない?」



「・・・ねぇよ。」




圭太を見て、そうと言って圭太に笑顔を向ける私がいた。




絶対に、高校に合格する。


合格して、お母さんとお父さんを喜ばせるんだ。




「圭太、今日の夜から泊まりこみね!」



「と、泊まりこみ・・・!!?」




絶対に、受かって見せる。



それで、花の女子高生になるんだ。











(終)*。.º*
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