ドラマチック・ロマンス
「もう、遅いし帰ろう。 送るから。」




「うん。」





校舎を出て、お互いに何も言わず隣を歩いていた。




家までは30分ぐらい。 中学生の頃は自転車で通った道を歩く。 グリーンロードと言って、自転車と歩行者しか通らない。


田んぼも少しあって、ちょっと懐かしくなった。



「俺ら、不器用過ぎたな〜!」




「うん。」




あの頃、同じ気持ちだったってことが嬉しくてたまらない。




あっとゆう間に、家までついてしまって、ちょっと名残惜しい・・・




だって、だって・・・・





「今日はありがとう。いつかまた会えたら、またいっぱい話そう。それじゃ、さよなら。ありがとね。」



今日で初恋終わりするから。 今日でもう会えないと思うしさ。




鍵を出そうと、鞄を探っていると、伊吹の声が頭上で聞こえる。




「そんな寂しいこと言うなよ。」


ぼんやりと伊吹を見つめている私に、伊吹は、優しい表情をしてハッキリ言う。





「大丈夫。また会える。」



そう言い残し、走って去って行った伊吹をただ見るしかできなかった。

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