ドラマチック・ロマンス
小学校、中学校のときは、今よりもっと不器用だった。

引っ込み思案で、何かとおっちょこちょいで‥‥‥
何かと上手く行かないことが多くて、27歳になった今、地道に前を向いて歩いている。

それはきっと、家族や友人の存在、私を見てくれている周りの人たちがいるからだとも思う。



「久しぶりだな〜、ここに来るの!」



学校の昇降口はなぜか開いていて、私は屋上へと続く、長い廊下を歩き、階段をゆっくりと上っていく。



来年度、今年の四月から、ここ‥‥母校で音楽の先生として働くことが決まった私は、なんとも言えない気持ちが混ざっていた。


やっと、音楽の教師として軌道が乗ってきた気がするけど、一歩一歩だよね。

それに。母校で働けるなんて、なんて嬉しいことなんだ。



今の私には、学校が暗くて怖いとゆう事よりも、なんとなくドキドキ感のほうが勝っていて、なんでだろう‥‥ワクワクしてくる。


私たちが学生の頃は、屋上は立入禁止だった。
今はどうなのかな?



屋上へ続くコンクリートの階段をゆっくり上り、ドアノブをくるりと回すと・・・







−−−−−−−−ガチャ





「‥‥‥ウソ、開いた。」



私は一瞬びっくりする。



ゆっくりと、顔だけドアから覗かせて見ると、キラキラとした星たちが一面に光っている。




「きれい〜〜っ!!」



やっぱり来て正解だった!
こんなにも、綺麗な星を見れたのだから。














−−−−−−−−−−「誰かいるのか?」





「!!!!」


しばらく空を見上げていると、バリトンボイス調の声がして、私は心臓が止まりそうなぐらいビックリしてしまった。





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