ドラマチック・ロマンス
「明香音ちゃんには、連絡してたんだよな?」



「・・・・・・・・」



おいおい・・・伊月、そりゃ、ダメだろう。



伊月いわく、“明香音は俺のこと、全部わかってくれてると思ってたから”って、それはいくらなんでも明香音ちゃんも、勇太も可哀想だ。




「明香音ちゃんには、会ったのか?」




「ああ、めっちゃ怒ってる。」



「やっちまったな、伊月。」



「あぁ」



ため息をついた伊月は、へなへなと膝をついて頭を抱えていた。まじで伊月のこんな顔見たことないかもしれない。




「謝ればいいじゃん!勇太も、伊月兄ちゃんに会いたがってたよ?」



俺たちの話を聞いていた斗真は、首を傾げて簡単そうにそう言うが・・・



伊月は、“大人になるにつれて、謝ることってなんで出来なくなるんだろうな。”と言った言葉を斗真は不思議そうに聞いていた。


そして“勇太にも早く会いたい、会ってぎゅ〜と抱きしめたいな”と伊月は呟いていた。


大人になるにつれて、難しくなるのかな・・


子どものころには出来た簡単なことでも、大人になっていくと勇気が無くなるのかもしれないな。





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