ドラマチック・ロマンス
音楽室は、四階の一番、端にあり、窓から見える夕暮れの夕やけがとても綺麗なんだ。



あの夕焼けは、私が中学生だったころから変わらない。




午後3時半。部活動の時間だ。委員会もしてる人もいるし、人それぞれだけど、大半は部活動に所属している。




「あっ!伊吹くんじゃない、アレ!?」




二年生の一人が楽器を練習するのを辞め、窓を覗き込んでしまった。




一人の声から、「え、マジっ!?」「キャー、目の保養になるよぅ!」二人、三人、四人、五人とみんなで窓が埋まってしまった。


・・・・・こうなったら、興奮がおさまるのを待つしかない。


部長は、みんなを止めるも、気になるようす。




「みんな、練習中だよ!!」




「花菜先生も見てみなよ!めっちゃかっこ良いよっ!!」


部員の一人が私の腕を引っ張って窓の側に連れて来る。 




−−−−−−−−窓から伊吹が見えた。




伊吹だ・・・・・本当に本当に伊吹がいるよ。



「サッカー部のコーチなんでしょ、伊吹くん!本当、クラスの男子とは大違い!!」


「月、水、金にコーチの練習の日なんだってよ、私の彼氏が言ってたよ!」



部員の子たちが、各々にテンション高く言い合っているのが聞こえる。


・・・・・よく知っているよ・・・・私は知らなかったぜ。っとゆうか、中学生で彼氏とか早いよ、キミたち!
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