ドラマチック・ロマンス
「花菜先生、出来る限りのことはこちらも協力するから、いつでも、困ったことがあったら一人で抱えないで、周りを頼っても良いんだからね、キミ、抱えやすいから。」






岸本先生は、最後は笑いながら話してくれたけど、私に真剣に伝えてくれるのがわかった。




だから、正直に「ありがとうございます!」と岸本先生と教員のみんなにお辞儀をする。




どうして、みんな優しいんだろう・・・・私、頑張らなきゃ。耳に障害があって学校にまだ来ていない生徒・・・生駒花音さんの事。






「花菜、帰り待ってて。」




残りの梅酒を飲み干そうとグラスに手をつけようとしたとき、もう手は握っていない伊吹が、私に向かって、私を見ずに言う。




今日、初めて面と向かって話をしている。っとゆうか伊吹が話かけてくれたから、会話が出来るのだけど。





「う、うん。」



私は、すこし緊張気味に遠慮がちに返事を返した。





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