ドラマチック・ロマンス
「じゃあ、行く?」





伊吹は私を見て笑う。




私は伊吹と歩き出した。





ふと星空を見上げるとすごく綺麗なことに気づく。




「伊吹!星がめっちゃキレイだよ!」




私の声で伊吹が上を向いたのか分かる。




「だなぁ〜」


キレイな星の中に混ざりたいと思った。



すごくすごくキラキラとしていたから。






「花菜って、ほんとに先生なんだなぁ〜って今日思った。あんまり頑張り過ぎんなよ。」




伊吹は優しく声をかけてくれた。


そして、あたたかい手が頭に触れる?



でも頑張んなきゃいけないときもあるよ?



「私は、がんばるよ。生徒の笑顔のためだったらいくらでもがんばるよ。」




私はまだ星を見ていた。



一回で教師の資格を取れなかったことが頭によぎった。


だから、諦めきれないの。




「そしたら、俺は充電する場所になってやるよ。花菜が泣きたいとき、苦しいとき、溜めないで発散できる場所になる。」


と、伊吹は自分の胸をドンと叩いて私を見て笑った。



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