ドラマチック・ロマンス
「ありがとう。優しいよね、伊吹は。」



今度は、伊吹を見て少し笑うと、伊吹は私の手を掴んだ。
その掴んだ手をすぐ離してしまう。



なんだ、離しちゃうのか・・・




「俺は、優しくなんかないよ。」



そんなことないよ。まだまだ知らない伊吹がいるかもしれないけど。



二人で星空の下を静かに歩く。夜の雰囲気は何気に嫌いじゃない。ましてや、今日は伊吹と一緒にいられるんだから、嬉しくてたまらないんだよ。


星空は私と一緒を照らしてるのかな?



伊吹のこと・・・私は、大好きだよ。伊吹は私を、学生のころは好きだと言ってくれたよね・・・今は、どうなの?



伊吹の気持ちが知りたい。知りたいけど、知ってしまうのは、やっぱり恐いなぁ。




「じゃあ、ゆっくり休めよ。」





「うん、伊吹もね。送ってくれてありがとう。」



“大好きだよ”って言ってしまいたい。




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