ドラマチック・ロマンス
2*)最後かもしれない
思い出に扮した小人がいるならば、私をツンツン突いて『この人も星が好きだったでしょー!』と、言ってくれていて、
そんでもって、『あんたの好きな人だったでしょー!』っと教えてくれているようだ。
「何、やってんの?」
私を、指を指しながら苦笑いをしている伊吹に、私も吹き出した。
「こっちのセリフだよ!」
ふたりで笑ってしまう。あぁ、この感じ何年ぶりなんだろうか。
とても懐かしくて、甘酸っぱい。
私の初恋だった。
顔を見れたら嬉しくて、喋れたらますますハッピーで。小学校と中学校の私は、今、私の目の前にいる人‥‥‥‥花朔伊吹(はなさくいぶき)に、恋していた。大好きだった。
いつもきみを見ると、小学校の頃なんかはすぐ顔が火照ってしまって‥‥
大好きだったよ、伊吹‥‥‥。
小学校から段々と、背も高くなり成長していく、かっこ良くなってゆく伊吹が好きだと思った。
けど、告白なんてする勇気なんてなかった。
どうして告白しなかったんだろうか、バカな私だ。