ドラマチック・ロマンス
2*)最後かもしれない  

思い出に扮した小人がいるならば、私をツンツン突いて『この人も星が好きだったでしょー!』と、言ってくれていて、

そんでもって、『あんたの好きな人だったでしょー!』っと教えてくれているようだ。




「何、やってんの?」


私を、指を指しながら苦笑いをしている伊吹に、私も吹き出した。



「こっちのセリフだよ!」


ふたりで笑ってしまう。あぁ、この感じ何年ぶりなんだろうか。


とても懐かしくて、甘酸っぱい。


私の初恋だった。


顔を見れたら嬉しくて、喋れたらますますハッピーで。小学校と中学校の私は、今、私の目の前にいる人‥‥‥‥花朔伊吹(はなさくいぶき)に、恋していた。大好きだった。


いつもきみを見ると、小学校の頃なんかはすぐ顔が火照ってしまって‥‥


大好きだったよ、伊吹‥‥‥。


小学校から段々と、背も高くなり成長していく、かっこ良くなってゆく伊吹が好きだと思った。


けど、告白なんてする勇気なんてなかった。


どうして告白しなかったんだろうか、バカな私だ。


< 7 / 252 >

この作品をシェア

pagetop