ドラマチック・ロマンス
やなしーは、“勉強のがヤダ”と言って笑って、ハナくんにトイレへ行くと言って先に行ってしまった。





「あいつ、勉強苦手だからな。俺もだけど。」




「ふふ、頑張れ!」





ハナくんは、伊吹の弟だけあって、整った顔立ちをしている。




そのハナくんは、周りに誰もいないか確認しているらしく、きょろきょろしている。




そして、私に顔を近づけてひそひそ話をするみたいに耳に手をかざした。





「花菜先生って、兄ちゃんの初恋の人だろ?」





「へ?」




思わず聞き返してしまう。



ハナくんは、にこりと笑っている。





「違うの?」




「伊吹が私だって言ったの?」





ハナくんは、兄ちゃんが言っていたと話してくれた。




「誰とは言ってないけど、兄ちゃん最近、いつもニヤついてるから。花菜先生の話題だしたら、もっとニヤついてたよ。」




兄ちゃんヘラヘラしすぎてキモいんだと笑っているハナくんだった。




伊吹・・・・



顔が見たいよ・・・




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