ドラマチック・ロマンス
びくっとして、振り返ると伊吹が立っていた。





「伊吹・・・・」





なんだか久しぶりに声を聞いて泣きなくなる。




ってもう泣いてるんだけど・・・・私は、涙を拭いて伊吹を見た。




ブルーの爽やかなウインドブレーカーを上下に着ていて、肩にはエナメルバッグを背負っている。





今、帰って来た模様だ。




「(クリスマスの時はどうも。母ちゃん喜んでくれた?)」





伊吹は、手話を使って、花音ちゃんに伝えている。




花音ちゃんは、すこし驚くも微笑んでお辞儀を伊吹にした。



その様子に伊吹も笑って、私を見た。





「俺も手話覚えたんだ。花菜の役に立ちたいからさ!」





ニコっと笑う伊吹・・・






「あ!そうだ!」




伊吹は、何か言いたそうに花音ちゃんを見る。




「(学校がつまんないっておもったら、好きな人作るといいぞ!これ、俺も経験済みだから!)」




花音ちゃんは、何かを考えているようで、私はそんな伊吹をただ見つめていた。



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