【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
矢野くんに告白しよう!と、ラブレターを書いて渡そうとしてるんだけど、勇気が出なくて全然渡せない。
はぁ……いつになったら渡せるのかな……。
かれこれ1年以上は想いを寄せているのに、どれだけ時間かかってるんだろ……。
全く渡せない私を見て、親友の葵ちゃんはため息をつく。
「はぁ……告白するのやめたら?」
「それはヤダよ!告白しないと絶対後悔するもん!」
「じゃあ今日中にその手紙渡せなかったら告白諦めなさい」
葵ちゃんは私をビシッと指さした。
きょ、今日中に渡す!?
「えぇ!そ、そんなぁ~……」
「わかった?」
「で、でも……」
む、無理だよ~……。
「はいはい、頑張れ。さ、とりあえずもうすぐHR始まるし、教室帰るよ」
「う、うん……」
私はブレザーのポケットに手紙を入れて、中庭をあとにした。