【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「美憂ちゃんは顔だけじゃなくて、性格もいいし、理想だよなぁ」
「天然な感じもまたそそるっていうか。あぁ~~好きだなぁ」
「……うるせぇ、どっかいけ!」
俺はあまりにイラついて、怒鳴った。
「ひぃい!!すみません!!」
「ごめんなさい!!」
すると、カンタンにその男子生徒2人組は去っていった。
……ったく、わざわざこんなところで話す必要ないでしょ。
つか、人を好きになるとかそういうのマジでくだらない。
人なんて好きになったところで、いずれは裏切られるに決まってる。
信用したって、大抵の人間は裏切る。
自分が誰かを愛しても、結局相手が自分を愛してくれることなんてない。
俺が信用してるのは祐輝ただ1人。
俺が家庭のことで避けられるようになっても、祐輝だけはずっと一緒にいてくれた。
あんなヤツだけど、信用している。
本人には絶対言わないけど。
祐輝以外に信用できる人間が現れることはない。
というか、信用する気なんてない。
そう、思ってた。