【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
でも……やっぱり直接自分の気持ちを言葉にして伝えなきゃ。
「私……ね。拓磨くんのことが好き。だから……彼女としてそばにいさせてほしいです」
私はそう言って、拓磨くんの目を真っ直ぐ見た。
すると拓磨くんは少し照れくさそうにフッと笑う。
「俺も……アンタのこと、好きだ」
「……え!?」
拓磨くんが……私のことを好き?
ウソ、夢……?
信じられなくて口をパクパクさせていると、拓磨くんが私を優しく抱きしめた。
「アンタのこと、ずっと前から見てた。まぁ、全然気づいてなかっただろうけど」
「ずっと前から……?」
「そ。1年のときからね」
「う、ウソ!?」
そんなに前!?
私、1年生のときなんて拓磨くんの存在、まだ知らなかったのに!?
「俺はアンタと出会って変わることができた。さんきゅ」
拓磨くんは抱きしめる力を強める。
拓磨くんの温もりに拓磨くんの匂い。
なんだろう、この安心感。