【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「ずっと拓磨くんのそばにいたいよ」
「そんなの、当たり前。離れようったって、俺が絶対離さないし」
「ふふ、よかった」
私の髪に触れる拓磨くんの手に手を重ねる。
「私が……拓磨くんを幸せにするからねっ!」
拓磨くんのお母さんの分まで私が愛情を注いであげたい。
拓磨くんを傷つけるものから守りたい。
「……っはは、なんだよそれ。普通、逆じゃん?つか、昨日も同じようなこと言ってたよね」
急にふきだして、お腹をかかえて笑う拓磨くん。
「わ、笑わないでよ!私は真剣に……!」
「そうだよな、美憂はいっつも真剣で、真っ直ぐで……いつも助けられてるよ。さんきゅ」
そう言って笑うと大きな手で私の頭をポンポン撫でた。
それが心地よくて、目を閉じる。
「なんか、美憂って猫みてぇ」
「え!?」
ね、猫!?