【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「それって褒めてるの!?」
「もちろん。可愛いってこと」
「っも、もう……」
そうやって私を動揺させようとする……。
拓磨くんはイジワルなんだから……。
「はは、真っ赤」
「も~~!」
「はいはい、怒るなって」
なだめるようにまた頭をポンポン撫でる。
私、完全に拓磨くんのペースに乗せられてるよ……。
でも……幸せだから、いっか。
「なに、急に頬緩めちゃって」
「えへへ、別にぃ」
「変なの」
私は拓磨くんの肩に頭をあずけた。
幸せは怖い。
幸せすぎると、あとでその幸せを失ったときに、ツラくなる。
幸せの大きさだけ、失ったものの大きさも大きくなる。
私はこれからもずっと拓磨くんの隣にいられると信じていた。