【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
拓磨くんと幸せな時間
休日が明け、月曜日の朝になった。
いつも通り、私と拓磨くんは通学路を歩く。
「……美憂」
拓磨くんが急に深刻そうな表情で私を呼んだ。
「ん?どうかしたの?」
「実はさ……俺、金曜日に父親に会ったんだ」
「……え!?」
拓磨くんの口から出たのは、驚きの言葉だった。
「どうして急に……っ」
「父親が……俺を探して家に来たんだよ。で、真実を教えてもらった」
「真実……?」
「あぁ、俺は……母親のことをカン違いしていたんだ」
母親のことって……虐待されてた、ってこと?
カン違いって……どういうこと?
「実は……」
拓磨くんはゆっくり、お父さんから聞いた事実を話してくれた。