【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「ん!ココアも美味しい!拓磨くんも飲んでみてよ!」
「あぁ……ほんとだ。ココアが濃くて美味しい」
「えへへ、ここのお店もまた来ようね」
「あぁ」
拓磨くんは私が笑うと、ニッコリ微笑んだ。
フォンダンショコラを完食し、帰ろうと立ち上がる。
そして財布を取り出すと、拓磨くんが止めた。
「いいよ、俺が払うから」
「えっでも……」
ネックレス買ってもらったのに、申し訳ないよ……。
「遠慮しなくていいから。美憂は彼女なんだし、これぐらいさせてよ」
拓磨くんに彼女って言われて、改めて自分は拓磨くんの彼女なんだと実感する。
にやけそうになるのをガマンするのが大変だ。
「ほんとにいいの?」
「あぁ、もちろん」
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
拓磨くんに奢ってもらい、お店を出る。
「じゃ、帰るか」
「うん!」
少し名残惜しいけど、すっごく楽しくて充実した時間だった。
またこうやって、2人でどこかに行きたいなぁ。