【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
最終章
突然の別れ
それから数日後の放課後。
私はいつも通り拓磨くんと通学路を歩く。
「あのさ」
拓磨くんが口を開いた。
「ん?どうしたの?」
「実は明日の放課後、母親と会うことになったんだ」
「え、ほんと……!?」
ついに、拓磨くんがお母さんに会えるんだ……!
「やったじゃん!」
「ちょっと緊張してるけど、ね」
「久しぶりに会うんだもんね。でも、拓磨くんのお母さんだもん、きっと優しくていい人だよ」
「あぁ、そうだね」
自分のことのように嬉しくて、拓磨くんと繋いでいた手をブンブン振り回す。