【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「そういえば拓磨くんって、これからお母さんとどうするの……?」
「え?」
「いや、一緒に住んだりするのかなぁって」
拓磨くんにもようやく幸せがやってきた、なんて勝手に思ってたけど……。
幸せってお母さんとまた一緒に暮らすこと?
それともただ、お母さんに会うこと?
うーん……微妙なラインだな。
「……さぁ、どうだろう」
拓磨くんは少し険しい表情で俯く。
「拓磨くん……?」
「いや……なんでもないよ」
なんだか少し、拓磨くんの様子がヘンな気がした。
……気のせい?
「……あ!そうだ」
私はあることを思い出してカバンの中をあさる。
「えーっと、確かここに入れたはず……あ、あった!はい、これ」
そして小さな袋を取り出して、拓磨くんに渡す。