【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
リンゴ好きの拓磨くん
キーンコーン―――
「………ふぅ」
ようやく4時間目を終え、昼休みになった。
私は教科書を机の中に入れる。
お昼ごはんだ!
葵ちゃんと食べようと思って、リンゴたくさんむいてきたんだよね!
「行くよ」
拓磨くんは私の腕を掴んで立ち上がった。
「え?」
“行くよ”ってどこへ……?
「なにその顔。彼カノなんだから昼飯ぐらい一緒に食べて当然でしょ」
「……!?」
う、ウソ。
昼休みもこの人と過ごさなきゃいけないの!?
そ、そんなのヤダよぉ……葵ちゃんと一緒にごはん食べたいのに……。
……なんて言えたらどれほどいいか。
「ほら、ボーっとしてないで行くよ」
「う、うん……っ」
慌ててカバンからお弁当箱を取り出し、拓磨くんについていった。