タカラビト


学校でいるときと夕焼け見てるとき、どっちが本物なのかと聞くと
あいつはまた怒る。

あいつらしくない涙声で、でも力強くて、でも途切れそうな声で。

また俺を怒る。

反射的に望月を抱きしめていた。

あいつの悲しみをぶつけて欲しくて、ほっとけなくて、包みたくて。

なんでだろ。俺、こんなことするやつだったっけ。

< 70 / 74 >

この作品をシェア

pagetop