そんだけ。―『好き』が始まった日の話。
海に漂うのも南極暮らしも、一緒なら悪くないかもね。
その人がくらげになりたいと言ったから、あたしもくらげになりたいと言った。


その人があたしのことをペンギンの子供に似てると言ったから、
あたしはその人のことをあざらしに似てると言った。

僕、細いのにあざらし?

って言われたけど。

黒目がちの目が、赤ちゃんあざらしの眼差しにそっくりだったから。


帰り側にペンギンとあざらしのポストカードを買い合った。

笑った。
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