そんだけ。―『好き』が始まった日の話。
ずっとこのままならいいのに。



なんて思う間もなく、駅が近づく。


起こさなきゃ。


触れてた肩を自分の肩で小突いてみたけど。


起きない。


勇気を出して腕を掴んで揺すってみたけど。


やっぱ起きない。



あぁ、寝起き悪いんだぁ。新発見。


なんてちょっと喜んでいる場合ではなくて。


電車は駅のホームへ。



起きてってば!


両腕を掴んでぶんぶん。



うっすら目が開いた。
あ、よかった!
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