そんだけ。―『好き』が始まった日の話。
春と夏の間の季節の日差しは強烈で、窓越しにあたしたちをばんばん照らした。

カーテンを閉めないその人にうれしくなったけど、その横顔越しに外の景色を眺めることは、あたしにはとても困難で。


結局あたしは通路に吊られた宝塚レビューの広告をひたすら見つめ続けていた。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop