スナオじゃないキミ.
和くんは5分位できてくれた。
「すいません、遅くなって。」
「ん。」
無言でひたすら歩く。
話ってなんだろう。怖い。
「やっぱりもう少しで夏でも
まだ夜は少し寒いですね。 」
「そう?ちょうどよくない? 」
世間話をふってみたものの、終了。
ここ最近やっといろいろ会話続くようになってたんだけどなぁ。
つまんないかな?
「しょうがないなぁ。」
「え?」
「ほら。」
そういって手を差し出してくる。
「え?」
「だーかーら。」
そう言って私の手を握った。
「ほら、行くよ。 」
手を引っ張って歩いてく。
初めて手をつないだ。
健ちゃんとも繋いだことあるけど
なんか恥ずかしくて嬉しい。
和くんの手、あったかい。
でも、不意打ちでびっくりした。
「それで話って?」
だんだん不安になってく。
「あぁ。」
そう言って頭をポリポリかいてる。
「お前さ、自分の可愛さ自覚しろよ。」
「えっと......どういう?」
「あんなメイド服でさ、
しかも元カレと遊んで、
あれでお前に惚れない男いると思う?」
「わっ...かんないです。」
わかんないってなんだよ、と思いながらも
それしか答えられない。
「言っとくけど、お前らの会話丸聞こえ。
キスは数え切れないほど、ベタぼれ、
一生に一度の男?
相手は復縁希望?」
聞こえてたんだ。
もし逆の立場だったら絶対嫌だな。
「すいません。」
「ごめん。遥奈に言ってもどうしようもないのにね。」
繋いだ手が離れ、ギュッと抱きしめられる。
「和く....ん?」
「ねぇ遥奈。
俺ほんとは不安なの。
どんなに頑張ってもあいつ超え出来ないんじゃないかって。」
「でも私、世界で一番和くんが好きですよ。」
「遥奈のこと幸せにする。
だから一生そばにいて?」
和くんからそんなこと言われると思わなかったから、
涙がでてくる。
不意で嬉しい。
抱きしめられながら、ひたすら頷いた。
「おし、風邪ひく前に帰ろ。」
「はーい。 」
やっぱり和くん。
内緒でもなんでも和くんが一番好き。
ふと、そう思った。