スナオじゃないキミ.





―――――




とうとう学校祭三日目。



終わったらあっという間に夏休みになる。



夏休みがあけたらすぐ、秋遠足で



そのあと宿泊研修。




終わったら定期テストと詰まってる。




今日は浴衣を着る。



クラス展示の衣装だけど、



三日目は全校で浴衣の人が多いらしい。




浴衣なんて着るのいつぶりだろう。




学校に行くと、浴衣の人もちらほら。




教室で美織に着せてもらう。




「よし、おっけー!」



「ありがとう美織〜。」




一時期和風ヘアアクセにはまってたらしい


絵麻がヘアアクセを貸してくれて、



髪を整える。




「遥奈、おわった?」




「あ、うん。」



「ちょっと話しあるから外行かない? 」




「うん。」




絵麻に呼ばれた。



なんだろう話って。



「なに?」



「今日、健ちゃんと大雅くるんだけどね?」




「うん。」



「健ちゃんが遥奈と二人でまわりたいって。





健ちゃんと二人なのは別にまぁいい。




けど、もしものことを考えたら



危険な感じがする。





「んー、ちょっと無理かも。」




「なんで?」




「色々....だめじゃん?」




曖昧すぎたかな。



ずっとニコニコしてた絵麻から笑顔が消えた。



一気に真顔になる。




「ね、最近遥奈さ、隠し事してない?」





「え?してないよ?」




「ほんとに?信じるよ?」





「ほんとだよ。」




ほんとにほんとにごめんね。



でも、和くんに“内緒”って言われてるから。




ごめんなさい。




「でもさ、お願いだから健ちゃんとまわってあげて。」





「ごめん、ほんとにそれは....。」




「んー.....、そこまでいうならわかったよ。」




「ごめんね?」




ごめんね絵麻。ごめんね健ちゃん。




♪〜〜




《和くん:今日、企画のやつあるから
屋上に先生集まるんだよね。
みんな外に出る前に
階段付近にいて。早めに行こ 》




そっか、今日企画の日か。




屋上から先生方が広げてくれるって言ってた。





今日は昨日より時間が長いから


ゆっくりまわれそう。




今日は先にシフトが入って、残りは全部暇。




早い時間のシフトだと、


結構暇。



みんなお化け屋敷とかに流れてるのか、



全然忙しくなく終わった。



「よし、遥奈。

お化け屋敷いこう!!」




「行こう行こう!」




美術部の作ったお化け屋敷は



怖いと評判。




怖いの苦手だけどちょっと楽しみ。




すんごい行列の一番後ろに並ぶ。




並んだところはちょうど出口のあたりで、




キャーキャー聞こえてくる。








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