スナオじゃないキミ.
ガラガラッ
「あ、絵麻りん。遥奈ちゃん。」
「あ、蓮さん!!
どうでした?」
もちろん金魚のふんのごとく
うしろに和くんもいます。
なんか昨日の今日だから恥ずかしい。
「めっちゃおもしろかったよ。
俺らも今からもう一回並ぶの。」
そういってわたし達の後ろに来た。
私の後ろは和くん。
うわー、緊張するよなんか。
バレたらどうしようってドキドキする。
「怖いですか?」
「もうめっちゃ怖かったよ。」
「え、じゃあ遥奈アウトじゃない?」
「アウトかなー。頑張ってみる。」
「怖いの苦手なの?」
そう聞いてきたのは和くん。
どうしようドキドキする。
「に、苦手です。」
「へー。可愛いね。」
だめだ、照れる。
「ってか二人とも浴衣可愛い。」
「やー、絵麻は元がいいから。」
「いやいやそれなら遥奈ちゃんが.....」
「蓮さん恥ずかしがらなくていいんですよ。」
この二人は相変わらずだな。
絵麻の誰とでも仲良くなれる性格が羨ましい。
「遥奈ちゃんほんとに色っぽい。」
「ありがとうございますっ。」
「絵麻ちゃんは?絵麻ちゃんは?」
「はいはい、色っぽい。」
「やったー。」
二人の話を聞いてれば恐怖も薄れてくる...気がする。
それからちょっと待って、順番がきた。
「じゃ、いってきまーす。」
絵麻と中に入る。
明かりもなんもないから怖い。
ギュッ
いきなり足を握られた。
「ぎゃあああああ。」
「遥奈?」
「足にぎられた ... 」
びっくりして、動けない。
腰が抜けるっていうか。
「遥奈?立てる?」
「んー........」
たとうとするんだけど、立てない。
「あれ、追いついちゃった。なした? 」
「遥奈が驚いて腰抜かしちゃって。」
「え、大丈夫?」
絵麻と蓮さんでどうしよどうしよって心配してくれてる。
申し訳ない。
でも立てない。
「俺、誰か呼んでくるから蓮と横山先行ってて。」
「でも.....」
「大丈夫だから。」
絵麻と蓮さんが視界から消えると同時に
私のことをおんぶしてくれる和くん。
「ごめんなさい。」
「お前ほんとばかだなー。」
和くんの背中に顔をうずめてるから
怖いものは全然みえない。
浴衣だから持つの大変だろうな。
「ほんとにすいません。」
「もうすぐだから。」
やっと明かりが微かに見えた。
「もう歩ける?」
「はい。すいません。ほんと。」
「お前もう一生お化け屋敷入るなよ。
あ、あと、浴衣、似合ってる。」
そう言って和くんはそそくさと出ていってしまった。
暗闇でよかった。多分私の顔真っ赤。
外に出て、絵麻と蓮さんに謝って、
また絵麻と二人行動。
「健ちゃんたちくるかなー。」
会いたいけどちょっと気まずいな。
「絵麻!!!」
後ろから聞きなれた声。
「あ、大雅!健ちゃん!」
健ちゃんは少し気まずそう。
ごめんね健ちゃん。
「俺ら結構校内回ったから、もう帰るわ。
バスもあるし。 」
「そっかぁ。元気でね?」
「おう。絵麻も遥奈も元気でな。夏休み来いよ。じゃーな。」
二人を見送りながら、ひたすらゴメンと思う。
「さ、もうラストだし食べ物めぐりしよ。 」
「おっけー。」
もう学校祭もおわっちゃうんだなぁ。