涙がこぼれる季節(とき)【完】
「自主トレも毎日やってるんでしょ」

「ああ」

「修ちゃんのそういうとこ、ほんと、すごいと思う」


結衣は目を輝かせたが。


クラブチームに入っているヤツらは、12月までチームの練習があり、その後もそこで練習させてもらったりしている。


自主トレぐらいしておかないと、この時期に差をつけられてしまう。


オレは高校でも絶対レギュラーになるつもりだから、むしろ当然のことなのだ。


「別に、すごくなんかないよ」


正直な気持ちを言うと、結衣はうつむいてしまった。


せっかく褒めてくれたのに、言い方が悪かったのだろうか。


「結衣?」


オレは、不安になって声をかけた。

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